ニトロプラスは正統派の熱血物語というイメージが強いブランドですが、もう1点、様々な表現を用いたダークサスペンス系も人気があります。親和生物を愛したクトゥルフの狂信者を主人公とした「沙耶の唄」、恋愛と見せかけて極度のショッキングな内容を含む「君と彼女と彼女の恋。」。
現在公開されている体験版はわずか5～10分ほどの内容です。ですが、このダークサスペンスの系列に含まれそうな描写が、このわずかな時間に盛り込まれています。
いじめられっ子の復讐譚
「君と彼女と彼女の恋」や「ハローワールド」はニトロプラスらしく無い「恋愛ゲーム」を前面にアピールしながらも、実際はニトロプラスらしい要素がふんだんに盛り込まれていました。今回は恋愛方面から大きく異なりますが、それでもニトロプラスらしく無いあらすじです。
醜い外見が原因で主人公の種埼捨はクラスでいじめられています。そんな彼はLINEで優しい言葉をかけてくれる双羽みゆに恋しています。ある日、彼女から裏庭に来るように言われて向かったところ、優しい声で告白されます。
ところで彼は人の顔を見ると心が読める「モジカ」と呼ばれる能力を所持しています。いじめられている彼は人の自分に対する悪意を封印するため、自分の視界を足元のみに移しています。この告白で勇気を出しみゆを見たところ……、彼を嫌う文字で覆いつくされている彼女の心。
捨は心が死に、こんな状態になった学園に復讐することを誓います。
体験版の概要はこんなところ。凌辱系タイトルでよく見かける主人公に特殊能力がある復讐凌辱系の典型的パターンを取っています。ここからどうニトロプラスらしく料理していくのかが体験版をプレイすると一目でわかります。逆に文字だと伝えにくい箇所もあるので、是非体験版をプレイしてほしいところ。
視界演出と心音で捨の世界になりきり、ホラーさながらの恐怖を描く
いじめの恐怖が伝わってくる物凄い演出です。黎明期インターネット小説の名作「絶望の世界」をちょっと思い出しました。
文章は一言で簡潔に。2行以上を取らず最小限の言葉のみ。これが体験版終了まで続きます。そして音声。捨が自分の考えに浸っている時は周りの音が聞こえず、チャイムなどの大きな音や誰かに呼び止められて強制的に思考を中止した時などは音が大きく。恐怖で混乱している時はまばたきをして画面が真っ暗になったり、少しずつ目を開けて明るくなる演出。稀に視界が左右にぶれ、画面の背景が揺れることも。
とにかくビジュアルノベルの世界で主人公になりきるという演出を最大限に活かそうとしています。そして、捨になりきると、今度は捨の境遇もだんだんはっきりします。
そしてゲームが始まって序盤からびっくり。画面内は「消えろ」「気持ち悪い」「不細工」などの落書きで埋め尽くされた机。顔を上げることなく、その机を見て延々と自分の境遇を嘆く文章。LINEでの愛しい人からのメッセージの安堵感、呼ばれ裏切らることがわかっているのに「裏庭にきて」と呼ばれた時の恐怖。動いている時も足元ばかりを見て、誰とも目を合わさずに喋っている不気味さ。
告白された時は騙されると分かっていて顔を上げる恐怖を何度も瞬きを行い、思考は上げて裏切られることがわかって顔をあげたくないと悲鳴をあげています。そこに勇気を出し、少しずつ相手の足からスカートへ、スカートからブレザーへ、そして最後に顔を見る瞬間。プレイヤーとしては初めて相手の心を見る瞬間。
みゆから主人公への「気持ち悪い」「近づきたくない」感情が縦文字となって伝わってきます。
みゆもいじめられっ娘で誰かから脅されて告白したと捨は分かっています。それでも何万分の1の確率で告白は本当かもしれないと信じて裏山にきました。そして捨は壊れました。
相手に嫌われながらの凌辱
体験版はみゆ手コキキス凌辱が楽しめます。
捨はキスをします。画面は捨視点なのでみゆの顔がドアップします。そして泣きそうになっている表情から、文字が大きくなって「初めてのキスがこんな奴と」「嫌、気持ち悪い」などの文字が次々と流れます。そしてその間にチ〇ポを出し、みゆに握らせます。そのままピストンで射精。その間もみゆの捨を嫌う気持ちが入った文章は何度も切り替わります。あくまで捨視点なので、捨がキスをやめて後ろに下がれば文字も小さくなります。
この、視覚的に嫌がっていることが分かる状態、特に表情とセットで文字が目に入ってくる状態は想像以上にシコ度が高くてびっくりしました。抜きゲとしては間違いなく新感覚。あと、脚本下倉バイオさんの文章力も冴えており、ただの手コキなのに凌辱感がとんでもなく高い演出力です。
ニトロプラスなのでエロよりシナリオのゲームだと思いますが、他有名凌辱ブランドに引けを取らないエロを提供してくれそうです、。おそらく捨のターゲットは公式サイトに掲載されている5人のいじめっ娘。ストーリー重視の抜き作品はeuphoriaのように名作を生み出すこともあるのですが、今作はその候補に当てはまりそうで、楽しみな1作です。
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